都市在住者の2割「将来は農村に住みたい」

日経記事

日経住宅リサーチにこんな記事がありました。

都市部在住で「農村や山村、漁村に住みたい」との願望がある人が20.6%と2割を超え、性別・年代別では50代男性が38.2%で最も多いそうです。実際に住むために必要な条件としては、医療機関の整備(43.8%)や安価な家屋・土地(43.3%)、居住地決定のための情報(41.3%)などだそうです。

(引用:「都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査」、内閣府、2006年2月18日)


田舎暮らしは実現できるか?

都会のストレス? もしくは、田園回帰からでしょうか? 
2割という数字はこれからもきっと増えていくのでしょう。

私も、福岡のマンションに住みながら田園環境での子育ての夢を抱き、田舎への引越しを模索中です。しかし、近郊の里地を見て回るたびに、「う〜ん、ここに家を建てたい」と思える場所は、ほとんどありません。生活環境や景観という観点からみると、かなり田舎は荒れ果てています。

農村地域でありながら、多くの山や畑が放棄され、ムラのほとんどの人々が町で働かれています。また、市街化調整区域や相続税があだとなり、無計画な宅地化が行われ、集落としてのまとまりがありません。しかも、狭い道路ではダンプが走り回り、歩いている人もほとんどいないという状況です。

ムラのデザイン、住居計画が必要ではないか?

「住めば都」というように、決断をしてしまえば、地域に入ることも可能と思うのですが、
魅力的な集落づくり、持続的な地域産業がなければ、都市居住者のニーズを受け入れていくのは、とても難しいようです。

英国では、農村地域であっても、厳しい許可制度の下、農地の宅地化やデザインは規制されています。個人の家の立派さよりも、ムラとしての住みやすさの追求が必要だと考えられます。

農村の地域資源・自然資源を活かしながら、都会の人々を受け入れていく農村の形を模索し、ムラの新しい生活空間をデザインする。そのような小さな計画が、必要とされてくると思わいます。一方で、センスのない農村の都市化だけは、避けなければなりません。