薪のある暮らし

asahiro2010-01-13


新年、明けましておめでとうございます。
今年は、もう少し情報発信ができるように心がけたいと思っています。

さて、一昨年の森林と市民を結ぶ全国の集い(福岡)から、「暮らし」というキーワードを良く耳にしてきました。
私は、この家を建ててから冬は薪ストーブのある暮らしをはじめ、最近、「なるほどなるほど」と、付き合い方を模索してきました。少し、紹介して新年のあいさつとしたいと思います。

うちのストーブは、Vermont Castings社のResolute Acclaim Woodburning Stove Model 2490です。通称、アクレイムと呼ばれています。これを選んだ理由は、いくつかありますが、主に下記のような点を重視しました。

・出力が10,000kcalあること。小さい家ですが、全体を暖めてほしかった。
・中型サイズでありながら、出力が大きいこと。場所をそれ程取らない。
・平均燃焼時間が9時間あり、共働きにはよさそうだったこと。
・トップローディングタイプで、上から薪が入れられ、床がそれ程汚れない。
・ダンパーが付いている、水平燃焼タイプで、薪の持ちが良い。
・赤の琺瑯であること。


さて、いざ使い始めてみると、下記のような戸惑いもありました。

・2階はそれ程暖まらない。(11〜14度)
・薪の消費量は、それなりに量と種類が必要。
・ネジが落ちたり、ダンパーが動かなくなったり、ファイバーロープが取れたりと、それなりにメンテナンスが必要。
・煙突掃除は、まだ慣れないので、おおごとだった。
・屋外が強風の時は煙突の隙間から煙が時々噴き出してくる。


とはいえ、使い続けてみると、付き合い方が分かり出し、課題は概ね克服できました。
私が、ストーブの良い点ベスト3を上げるとしたら、次の3つです。

1.(外に煙は出すが)室内の空気は常に新鮮。
 私はアレルギー持ちなので、以前は、軽い気管支炎や鼻炎などを起こしていました。薪ストーブは煙突の吸気を常に行うので、隙間風は少なくないですが、空気は新鮮です。私は、冬場の上記の悩みがほぼなくなり、第一の効果でした。

2.上に入れた薪は炭化され、下のオキがちろちろ燃焼
 トップローディング→水平燃焼タイプということもあり、温度を上げて、下にオキを作ってから弱火にすると、このような状態になります。ある温度を保ちながら弱火で燃焼運転を継続できるので、寝る前に薪を入れ、朝起きると、まだオキが残っており、薪を入れて温度を上げて、また弱火にするというサイクルで24時間燃焼が、そこそこの薪の量で可能です。
したがって、家を冷やさなくて済むという点がとても良いです。先日、田舎に帰省し帰ってくると、家は完全に冷えており、暖めるのに相当な量の薪を必要としました。弱火で暖め続けられるという点は、土壁の家にとっては利にかなっているようです。
ただし、重要なのは、弱火にする場合、温度を上げておくということです。下がると煙が多く出てしまい、周囲への迷惑や、環境にも、効率の面からもマイナスです。温度を上げておくと格段に良くなります。

3.お湯が常に沸き、洗濯物が乾く
うちはオープンキッチンスタイルなので、居間とキッチンは同室です。お湯はお茶にしたり料理にしたり、今日は、車の雪を融かしたり、と寒ければ寒いほど効果を発揮します。濡れたフキンなどもフェンスにかけておけばホカホカに乾く点は、ありがたい副産物です。

さて、里地里山ライフという点からすると、下記が私の今後の課題でしょうか。
・身体を上手に動かすこと
ストーブまで、常に薪を供給するのは、おそらく最も大きな課題になります。否が応でも身体を動かすことになるので、健康面から「良い」と、思っています。刃物で怪我をしないように、身体を痛めないように、動くことは、デスクワークにはない緊張と集中力、機転が必要に感じています。
・薪の種類を確保
私は、近所の公園やご近所さんから、枝の束を焚きつけように集め、近くの農林家の方に、スギや雑木の伐採木を積んでもらっています。火をつけたり、維持するには、これらの燃料を上手に組み合わせると良いようです。しかしながら、今後も必要量を農林家の協力を得ながら確保できるかどうか、持続的な見通しはありません。
・小さな森づくり
以前、英国でSmall Woodland Associationという団体を知りました。小さな森を所有して楽しみましょうという団体です。あちらでは、雑木林の萌芽更新の講座は、とても人気がありました。いつか、群状間伐による小さな森づくりを家の近くで、個人的にやってみたいな〜と思う今日この頃です。そうすれば、森も、相当良くなるはずです。

本当は、欧米のような温水によるセントラルヒーティングシステムがあると良いのでしょうが、現在は、望むべくもないです。熱源は電気、ガスによる床暖房ということでしょうが・・・

山の麓にある家は、今後、薪のある暮らしが大きな選択肢となるように思います。優れたストーブも開発されており、みなさま、将来いかがですか?