北京の天壇公園

asahiro2009-12-21


今、仕事で北京に来ています。
あちこちで建設が進む一方で、施工の質は急いで作った感があちこちに漂っています。朝、地下鉄駅は若い人でごったがえし。設計事務所では20代のデザイナー達が、次々に設計活動を展開していく。それでも間に合わない中国のスピードはパワーに溢れています。

一方、公園を訪れると、実にすばらしい中国を見ることができます。私が”すごい”と思ったのは、ゴミがほとんど落ちていないこと。基本的に禁止されたのかもしれませんが、人が行き来する広大な公園にゴミが落ちていない景色は見ごたえがあります。そして、最も感動したのは、高齢者が実によく、公園で遊んでいる風景でした。

天壇公園の回廊脇では、多くの方々がトランプに興じ、歌を歌い、社交ダンスや様々な踊りを楽しんでいます。それ以上に、散歩をする家族や友人達であふれかえり、公園は、まさに公園としての利用がなされていました。日本では見ることのできない風景です。

中国の高齢者の方々は、何ゆえにこのように楽しく、生き生きと生活をなされているのでしょうか。良く食べ、良く身体を動かし、良くしゃべり、家族や友達との一時を大切にする。

中国の歴史そのままに、公園の歴史や規模、質は壮大なスケールがあります。しかしながらそれ以上に、人々が公園で楽しみ、公園を愛している関係は、急成長する都市、北京の中で、人々の身体と心のバランスを保っているのではないでしょうか。ここに、欧米より成熟した都市文化があるのではないかと感じました。

さて、日本はいかがでしょうか。借り物の公園は市民に根付いていない。利用の仕方、楽しみ方が良くわからない。人と都市のちぐはぐな関係が、そこ、ここに見ることができるような気がします。きっと日本は、再び中国から都市文化を学ぶ時代が来るにちがいない、それ程におじちゃん達の笑顔は楽しそうでした。公園の踊りは、誰でも参加できるようです、北京に踊りに行きましょう。