シイ・カシ萌芽林の動態

(社)日本造園学会九州支部、平成18年度長崎大会の研究・事例報告会で下記の口頭発表を行いましたので掲載します。

朝廣和夫, シイ・カシ萌芽林の樹冠特性と林分条件要素の関係性に関する研究, (社)日本造園学会九州支部研究・事例報告集Vol.14, 2006.8.30. p19-20.

この研究では、福岡市近郊における土壌条件の異なるシイ・カシ萌芽林について、林分発達程度の異なる調査区の植物社会学的調査、および、林分構造データを取得し、その差異を主成分分析法により図示した内容です。
弱乾性森林褐色土壌では、タブノキと落葉広葉樹種の混交林に、受蝕土ではシイ林へと遷移していました。特に後者は、林冠の閉鎖が高く、下層植生の発達に乏しい状況が見受けられました。

内容は、これまでの理論を再確認したものです。しかしながら、私の研究の興味として、これらの森林の状況を、航空写真データ等から取得するために、各種樹冠情報の利用可能性を示すことができたという点で意味があります。

関東・関西とは異なる照葉二次林の里山像を、もっと、明快にしてゆく必要があると思われます。