紅葉

asahiro2005-11-26


最近プログ書きも忙しさにかまけて滞ってきました。まとまりのある情報だけでなく、日々の生活の中で感じてきたトピックも紹介していきたいと思います。

今日は、わが息子の生活発表会。日々の生活の成果を確認できる、かわいい姿を見れる一大イベントです。息子の雄姿は別の機会に譲るとして、ふと、童謡の歌詞に里山風景が描かれていたので紹介します。

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「紅葉」 作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一 文部省唱歌

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一、
秋の夕日に照る山紅葉
濃いも薄いも数ある中に
松をいろどる楓や蔦は
山のふもとの裾模様

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二、
渓の流れに散り浮く紅葉
波にゆられて離れて寄って
赤や黄色の色様々に
水の上にも織る錦

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さて、ゾウ組みさんに歌われた歌詞は一番でしたが、私が、「あ〜」と思ったのは、最後の「裾模様」でした。
山の麓の道ぎわや畑や川沿いを「裾」のように帯状に彩る紅葉群。
かつての里山の秋色の分布は、まさに、このように分布していたのです。

この解釈は、植生面と人々の生活における美意識の両面からできると思われます。

植生面は、農用林として利用されていた山はアカマツ林が広がり、基本的にはこれが優占種で秋も濃い緑色が主です。ところが林縁のマント群落にはツタ類が繁茂し、カエデの類が半日陰で水分・土壌条件の良い場所に残され、他の落葉系の陽樹と共に、林縁の紅葉を彩ったと考えられます。

一方、生活における美意識という点では、集落や道路に近い、この林縁の紅葉が、身近な美として、日本人の習慣の中で、こよなく愛されてきたと考えられるのです。

アカマツ林も、林縁の紅葉も、管理の行われなくなった里山からほぼ失われてしまいました。
私達の日々の生活からも、林縁の紅葉を愛でる美意識も失われて久しいのではないでしょうか。

この歌が、都会の中の保育園で歌い継がれています。
旋律と歌詞の美しい、この日本人の心は、農林業という営みの中から生まれてきたようです。

このような里山と、それを愛でる生活文化を復元できれば、それは、大変、重要なことに思えました。

ps:もし、紅葉の類を植林する場合は、林縁がいいですね。