遊歩道調査

asahiro2007-09-12


遊歩道を歩きながら、まったりと地域のこと、自然のことを見てもらい感じてもらう。昨今、森林セラピーロードが林野庁により進められていますが、まちづくりや農村振興における来訪者のアクセス確保と散策路の整備は古くて新しい話題です。

英国では「アクセス権」として、市民は私有地を散策する権利が保障されています。一方、日本は私有地の所有権が強く、協定を地権者と結ぶ必要があります。多くの農山村が通過点になる理由は、訪ねる仕組みが発達していないことが要因だと思います。

昨日、熊本県小国町で鉄軌道跡地を含めた里道遊歩道づくりを念頭においた下見をしました。本町では、数年前からアーチ橋や跡地の散策路としての利用を検討しています。私達は町の取り組みを延長させ、周辺の里地里山を含めた周遊散策路の可能性を模索しています。

景観保全による農村振興という側面から考えると、様々な課題があります。土地所有、草刈り管理、来訪者のマナー、ガイドやインタープリテーション、情報発信方法など、整備すべきことが多々あります。

一方メリットについて、
私の視点は、SJEC認証を取得した人工林のモニタリングとツーリズム協会の観光振興をつなげ、里地里山をオープンスペースとして位置づけることにあります。バーチャルな情報面と物理的なアクセス面から里地里山を公開し、人と情報、資金の循環を景観保全に集約したいとうことです。

地域にとり大切なことは、消費者や来訪者に地域を見にきてもらい、一方で、地域を美しく管理できること。一方、来訪者は商品が生産される現場を垣間見ることができ、理解と満足感を深めることができます。このような枠組みが、佐藤誠先生がいわれるように、最初は、観光による訪問がきっかけとなり、徐々にツーリズム、グリーンライフへと関係性を深めることに貢献できるのではないでしょうか。

本来であれば、景観計画などによる法的担保や支援があると良いのですが、そういう枠組みがない状況の中で、取り組みを模索することが大切だと思われます。

今年は、ワークショップで複数のルートを評価しモデルルートを一つ作れればと考えています。地域にも「ウォーキングを」という声もあり、今後、様々な魅力的なルートが開拓されれば、大きな柱に育つと期待されます。