第5回園芸福祉全国大会inふくおか

はじめたブログがイベントの紹介の様子を呈してきてしまったが・・・
今日は、特に書くこともないので、標記のイベント紹介です。

日程  平成17年10月27日(木)〜29日(土)
   場所  福岡市役所15階講堂、福岡国際ホール等

本イベントをご紹介させていただくのは、28日の第四分科会のコーディネイトを若輩ながら私が勤めさせていただきます。

そもそも、「園芸福祉」とは何か????

実は、このイベントの依頼をいただくまで、まったく知りませんでした。
上記のHPによると、
「植物と接することや園芸・農作業によってもたらされる幅広い効果を社会の様々な分野に生かす活動です。園芸、福祉の分野にとどまらず、まちづくりの推進や環境保全、情操教育や生涯学習まで、幅広い分野から期待が寄せられています。」

東京農業大学教授 前学長、日本造園学会前会長の進士五十八先生に言わせると、
「花や野菜を育てて、みんなで幸せになろう。」
と表現されています。
これまでのお金を持って豊かになる価値観は経済福祉、そうではなく、豊かな自然や歴史とゆったりした時間の中で触れ合いながら幸せになるのが園芸福祉である。と説明されています。

詳細は、下記の特定非営利活動法人 日本園芸福祉普及協会のHPを参照ください。
http://www.engeifukusi.com/

このような価値観の転換を目指した、壮大なキーワードが「園芸福祉」として位置づけられています。普及協会のほうでは、園芸福祉士という資格制度があるようです。実態と詳細については、不遜ながら知らないため、学会の前会長が理事長を務めているということもあり、今回、勉強させていただくつもりで受諾しました。

さて、前置きはこのぐらいにして、
私のコーディネイトする第四分科会のテーマは

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「田舎暮らし」を楽しもう  〜交流と園芸〜 スローフードスローライフの紹介を通じて
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■趣旨
産業の近代化の中で置き去りにされてきた「田舎暮らし」は、私達が直面する様々な健康・環境にまつわる問題点に光を当て、新たなライフスタイルによる解決を目指そうとしています。
スローフード」、「スローライフ」、そして、「グリーンツーリズム」という言葉が違和感無く受け入れられるのは、その質が本物指向であり、個人の実践に委ねられているからだと思います。本分科会は、都市近郊の田舎暮らしに関わり、交流をキーワードに実践されている市民活動家、生産者、そして、レストラン経営者を招き、時代を先取りした実践状況とその楽しみ、今後の方向性について議論します。
■パネラー
朝廣 和夫(九州大学大学院助手)
近藤龍良 (農)フラワービレッジ倉渕生産組合理事長
井上信男(有限会社クローバー 代表取締役
小林和彦(NPO法人きらり水源村 事務局長)
平岡 薫(ヒラオカ楽農園)

というような、趣旨と陣容です。
近藤さんと平岡さんは、園芸福祉を実践されている方々であり、花の生産や貸し農園を通じた交流活動についてご報告していただきます。園芸福祉の真髄を、この方々からお伺いできると期待しています。
私のほうで推薦させていただいた井上氏。この方は、福岡BiViの3階スローフードレストラン「スフレ」のオーナーで、なんと、現在28歳の若き社長です。朝倉郡有機農業をビジネスとして成功させ、地域の農業を活性化させるというエネルギーあふれるビジネスマンです。一方、小林氏は、NICE(日本国際ワークキャンプセンター)の前事務局長を勤められ、欧州外遊の後に、子供アートの職員として現在の拠点で活躍されている、この方も若き自然体験活動のホープです。先日、私のブログで国際里山田園保全ワーキングホリデーをご紹介させていただきましたが、NICEもBTCVの活動を参考にした実践型ボランティア活動を展開する日本の中心的NPOといえます。
この2名に依頼したのは、都市の肥大化、田舎の過疎化というアンバランスな時代の中で、レストラン、交流活動を新たなメディアとして、その端緒を開こうとする実践の中に、園芸福祉をより実態のある活動に昇華させるヒントが隠されていると考えたからです。

「園芸福祉」、現在の、この言葉から受けるイメージは、園芸を親しむ人の集まり、定年帰農などの、壮年の方々を中心としたイメージがあり、また、実際、そのような年齢層の方々が多いように推察します。しかし、進士先生の指摘されたパラダイムの転換は、若者世代、もしくは、将来の世代により実現されなければならないものです。自然、環境、福祉の内部化されない資本主義社会の中で、如何にそれを実現させていくのかということは、シビアな現実問題といえます。本分科会では、現在の課題、その将来性や、方向性、方法論について、より具体的に深めることができればと考えています。

ご興味のある方は、ぜひ、ご参加いただきたくお願いいたします。

なお、現在の、本分科会の申込者数は27名とのこと。
事務局より、「朝廣先生、もう少し数字を上乗せしていただけませんか・・・」と、依頼のお電話をいただきましたが、「すみません、私はそういう主義ではないので」と、お断りしてしまいました。個人的に「動員」というのが好きではないのです。ごめんなさい。