こだまの森シンポジウムを終えて

今日は、佐賀県の古湯温泉で有名な富士町に訪れ、表記の基調講演とパネルディスカッションを行いました。こだまの森づくりの5年の節目のイベントということもあり、とても充実した時間になったという印象を持ちました。佐賀の皆様、お世話になりました。

私は、次のような印象が強く心に残りました。

「こだま」=「木霊」と書きますが、森を大切に思う心を、どのように伝えていくのか。また、ある農林家のパネラーの方から、静かに、「恵まれた風土のもと、貴重な緑資源を国民の手で管理する時代がきたと思う。」と話された思いを、どのように継承し、実現させていくのかという点に課題を感じました。

もちろん、生業としての林業の課題があり、縦割り行政の問題、また、街の人は何をして良いのか良くわからないという問題、そして、リーダーが不在という点などの課題が挙げられます。

マチとムラを繋ぐ現場のリーダー、もしくはコーディネイト組織が必要であり、特に、看板となる市民と接する現場のリーダーが、顔の見える活動を展開することが大切であると話しました。

そのような人材を育てるには、何年もフォローを続ける必要があり、体験活動の入り口にとどまらず、経験する場、リピーターとして参加できる場、その中から、自分の仕事と山仕事を兼業する人材が出てくるかもしれません。最終的には、田舎に暮らしたり、林業につく人が得られる可能性が出てきます。佐賀の場合、5年目ということもありますが、1〜5年目のボランティア層と、20年以上の経験がある林務従事者に本日の参加者の属性が分かれました。10年、15年と継続できる人材の育成が求められています。

そのためには、よい現場を持つこと。参加するボランティアや行政、地主さんなどの声に耳を傾け、コミュニケーションをとりながら、質の高い活動現場を数多く作ることだと思われます。このようなリーダーが現場やボランティアに集中するには、専従スタッフのいる事務局が必要です。そのためにもパートナーシップ事業が求められています。

今日は、もっと話したいことがたくさんありましたが、時間の制約の中、絞って話しました。
佐賀県の森づくりは、市民と自治体、地元が顔の見える活動をされており、大変、素晴らしいと感じました。今後とも、よろしくお願いいたします。