今年のホタル

2年前のこの時期、空き家になっていた解体する前の家の周辺には、ゲンジボタルが乱舞していた。その美しさは忘れることができない。
2年後、工事のために生垣を取り払い、地域の意向で石積み水路はU字溝になり、電柱には電燈がついた。造園工事も入らないうちの庭では、子供たちが自由に走り回り、私達の生活が始まったことで、少し、明るくなったような気がする。しかしながら、今年のホタルの飛翔数は、明らかに少なかった。多くのことはできないが、コケむす石や、蛹になる土、雑木などは、今後10年ぐらいかけて復原しようと思う。

東京ゲンジボタル研究所の古川氏はホタル百科事典をホームページ上で公開されている。(リンクはこちら)ホタルの生態だけではなく、周辺の土地利用や植生、人の生活などなど、詳細に研究されてきた成果が公開されている。

このトップページに、とても感じ入る言葉が書かれていた。

すばらしい里山や小川、雑木林、そしてホタル・・・。我々が何もしなければ、22世紀にはこの都市からすべて無くなっているかも知れない。この里山とそこに生きるホタルを保護し保全するためには、何より、私たち1人ひとりの自然に対する「知識」と、自然を美しく感じる「感性」と、自然を大切にする「意識」が必要である。(中略)今あるすばらしい里山という自然環境を、何より感動と感謝をもって守り抜くことが私達に課せられた当然の義務である。(以下略)

今年のホタルのシーズンを終え、一研究者として今後の糧としたい。