養老先生とのひと時

先週は、一週間、東京、岐阜と出張し、その報告を書きたいのですが、先に、昨日のシンポジウムの話を書きます。

水土里ネットと西日本新聞社主催で、「Do Action 2009 まもり はぐくむ 水源の森シンポジウム」と題し、養老孟司先生の講演会が行われ、佐藤弘氏のコーディネイトのもと、宇根豊氏、杉岡世邦氏と私でパネルディスカッションを行いました。

私は、養老先生が大好きです。虫に着目しながらも、そこに人間味のある話題を展開していただけるからです。先生の著書である「ぼちぼち結論」では、「人は石垣、人は城。環境問題に対するには人を訓練するしかない。」とまとめられています。環境は大事、しかしながら、人はもっと大事。という、私達のとるべき行動を敢えて指摘されているように感じられます。

この点を指摘する政治家、企業人、研究者は何人いるでしょうか。私は皆無に等しいのではないかと思います。

先生からは、最後に「福岡の人は信じられる。」とお言葉をいただきました。等身大の取り組みを行い、特にプライドもなく、言いたい事を言い合える顔の見える仲間があることは、何よりも大切な財産だと感じます。

  • 身体を動かすことが最も大事。
  • 同質が広がる都市では感性が鈍る。
  • だから、若者は強制的に田舎にやれ。
  • そうすれば、なるようにならない自然と身体がわかる。
  • 暮らしを真剣に考え、生活を変えれば世の中が変わる。
  • 自然の中で、違いをつかまえる能力を磨こう。

もう議論をしている場合ではない、行動をすべき時ですよ。著書の中でも、講演の中からも、その意図がうかがえました。
環境価値を超え、行動価値が必要とされている時代なのかもしれません。だとすれば、都市の時代において越えなければならない壁はあまりにも高く、養老先生のご活動は、私達が継承すべきことではないでしょうか。